住職の法話

『般若心経』について【弐】

 前回の続きですが次に、行深般若波羅蜜多時ですが、ここは「般若」ということが大事で、これはおおいなる知恵のことです。知恵は仏から授かるもので、知識とは違うものです。波羅蜜多はそれを得るための道のことであり、そのための修行(この場合は、禅定のようなイメージで良いでしょう)をして悟りを完成させることを言ってます。そうして修行をしていたら、ある事を突然照見した、と言ってるのです。
 照見五蘊皆空、我々も何か良いアイデアを思いついた時は、「ひらめいた」「パット明るくなった」というような言葉を使います。照見とはそういう感じを一層強くしたものです。それで、五蘊(色受想行識)は我々人間の心身だと思えば良いのですが、それはすべて「空」であると照見したわけです。

 この「空」が、ご存知のとおり般若心経全体を通してのテーマです。それでは「空」とは何か。空とは、縁起の法と深く関係しているのです。
                          つづく