住職の法話

般若心経とは

『般若心経』について【壱】

 さて『般若心経』について語って見たいと思います。
般若心経は、最も有名なお経で、名前くらいは聞いたことがあるでしょうし、実際読経されているのを聞いた人も多いでしょう。ただし、浄土真宗と日蓮宗では読まないようですね(最近では読まれるご寺院もあるらしいです)。また、このお経は大変深遠な仏教真理を短い言葉で説いたもの、とされてます。
 このお経は、もともとインドでサンスクリット語により書かれたものでしたが、今、日本人が手にしている多くは、中国の三藏法師である玄奘三藏が漢語に翻訳したものだそうです。玄奘三藏は、有名な「西遊記」のモデルとなった偉い僧侶で、三蔵というのは経、律、論の三種の教えを修めた僧侶のことを言います。
 今回は、お経の中から私の好きなフレーズをピックアップして、お話をしてみたいと思います。

○観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄
(観自在菩薩は、深般若波羅蜜多を行ずる時、五蘊は皆空なりと照見して、一切の苦厄を度したもう)

 冒頭は、このような言葉から始まります。まず、観自在菩薩とは観世音菩薩と同じ意味ですが、「観世音」ではなくあえて「観自在」としたところにおおいなる含みがあると思います。観自在は「自在に観る」または「観ること自在」と読みます。観るは「見る」ではありません。単に見るのではなくて、注意深く細部まで全て観ることが「自在」なわけです。つまり、我々の外見だけでなく、心中も煩悩も含めて、普段考えていることや行動まですべてお見通しだということでしょう。
                          
                          つづく