住職の法話

戌年をむかえて

正月というと思い浮かべるのは正月恒例の行事「初詣」。初詣とは神社を連想するかもしれませんが、本来この習わしは菩提寺に行き除夜の鐘を聞き、年送りをして、そのまま寺にとどまりそこで元旦を迎えて、仏さまに新年の御挨拶をして祈願することでした。
 元来、除夜の鐘と初参りはひとつのものであり、これを年ごもりと呼んでいました。しかし、現代でも除夜の鐘が鳴り終わるのを待ち、その後に初参りをするのが普通です。これは、その昔初参りをした名残ではないかと考えられています。
 「仏の正月」という言葉があります。新年にお寺参り、お墓参りをすることを仏の正月と呼んでいます。地方によってまちまちですが、元旦から十六日頃まで、とされています。
 また昔は盆と正月は、先祖の霊をお迎えする日でした。精霊をおむかえする魂祭りが行われていました。昔の歌に「魂祭る年の終わりになりけり、今日にや又もあわむとすらむ」とあり、先祖の霊が帰ってくると、信じられていました。正月には先祖の霊を供養し、平安を祈りたいものです。