住職の法話

お不動様のちから

 お不動さまが右手にお持ちになっている利剣は、「さとりの智慧」を象徴し、私たちの心に潜む煩悩を断ち切って、正しい道へと導くという御教えを示しています。
 物事を正しく判断する妨げとなるものが煩悩です。必要以上に貪り求める心、憎しみ怒る心、愚かな心などで、正しい判断が出来なくなります。
 お不動さまの利剣は、乱れる心を断ち切り、「さとりの智慧」に目覚めなさいと教えてくれるのです。
 『大日経』という経典に「如実知自心」(ありのままの己の心)という言葉があります。弘法大師が開かれた真言密教の重要な教えです。
 自心とは、生きとし生けるものすべてが本来持っている菩提心(さとりの根本となる心)のことで、真実の方法に従って自らの心を観察すれば、さとりに気付くことができると説かれています。その導きをお不動さまがしてくれます。