住職の法話

相互礼拝・相互供養

 「心のたくましさ」は、我武者羅に他人をはねのけて頑張ることではなく、一方にはやさしさや、人に感謝する心のゆとりが必要でしょう。

 物質に恵まれたこのごろでは「ありがとう」という言葉が少なくなったことが残念です。自分のことしか考えられない世の中は肌寒い思いがします。

 私たちは、目に見えない多くの人や、自然や物その他多くのいのちのおかげで初めて生きることができます。これを思うと、全ての人や物に感謝せずにはいられません。他人を傷つけて、自分のみが良くなることは不可能です。

 人間が人間として生きるためには、「相互礼拝」「相互供養」の心、全ての人がお互いに尊敬しあう必要があります。これは、「おかげさま」「ごくろうさま」「ありがとう」と手を合わせる日常生活の中で自然と培われていきます。これによって、他人と私、親と子、人と人との心の触れ合いができあがります。「心のたくましさ」はこのような雰囲気の中で養われるのです。