住職の法話

施餓鬼供養

 お盆の行事とお施餓鬼供養。よく似ているようでどこか違います。お施餓鬼は、餓鬼道に落ちた人を救うため行われる行事、最初に説かれたお経は、お盆とはまた別物となります。

 餓鬼道に落ちた多くの亡者を救うため、供物を平等に餓鬼にわけ、さらに五人の如来の力を借りて救います。その善行を積むことが、自らの寿命を延ばすことにもなり、餓鬼道に落ちている先祖を含む多くの人たちを救うことにもなる、と説きます。

 餓鬼道は、本来、物惜しみをし、他人を省みず、利己主義に走った人が落ちるとされます。孟蘭盆経にもある、目連尊者の母親のように、親としては自分の子供を育てるのに必死になるあまり、他人を省みない。そんな、ある意味ではあまりに人間的な人が落ちるとされる場所。現実世界こそ、餓鬼道であるといっても過言ではありません。

 お施餓鬼は盆のように夏、と決まっているわけではありません。年中あります。その中で、夏、お盆の後に行われる仏事を「盆施餓鬼」とよび、直接のご先祖をお迎えする盆と区別されます。

 本来、お盆と施餓鬼の供物、飾り棚などは違うものです。お盆には種のある果実等(子孫繁栄)、施餓鬼には冷たい水と飯ですが、今はこの二つの行事は同時にされることが多く、盆の一つの行事として定着しつつあります。